国民救援会とは  

日本国民救援会は、1928年4月7日に結成された人権団体です。戦前は、治安維持法の弾圧犠牲者の救援活動を行い、戦後は、日本国憲法と世界人権宣言を羅針盤として、弾圧事件・冤罪事件・国や企業の不正に立ち向かう人々を支え、全国で100件を超える事件を支援しています。

国民救援会のとりくみ  

言論・表現の自由を守るとりくみ  

いま「戦争をする国」づくりがすすめられるもとで、自衛隊のイラク派兵反対や憲法改悪反対など、政府に批判的なビラを配っただけで逮捕される事件が起こされています。

戦争と言論弾圧は表裏の関係にあります。戦争を放棄した日本国憲法は「一切の表現の自由を保障」しています。葛飾ビラ配布弾圧事件では、市民の常識を裁判所に届ける運動をつづけて、一審で無罪判決を勝ちとりました(二審、最高裁で不当な有罪判決)。国民救援会は、言論・表現の自由を守るため運動をすすめています。

冤罪犠牲者を救うとりくみ  

布川事件で東京高裁も再審開始決定を支持(08年7月)

無実の人が誤った捜査、裁判によって犯人にされ、いまも冤罪事件があとを絶ちません。周防正行監督の映画「それでもボクはやってない」のように、ある日突然、通勤・通学の電車で「痴漢」の犯人にされる冤罪事件も起きています。

無実の人は無罪に。国民救援会は、死刑が確定した事件をはじめ、数多くの冤罪事件を支援して、無罪判決を勝ちとってきました。現在、袴田事件名張毒ぶどう酒事件など20を超える冤罪事件の支援を行っています。

労働者・市民の権利を守るとりくみ  

空前の利益を上げる大企業。一方で、「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」が社会問題になりました。2008年末には、多くの企業で派遣社員・非正規社員の大量首切りが行われ、国民生活の格差は広がり、貧困も深刻です。

非正規雇用の増大とリストラ合理化・不当解雇、強制配転・出向が行われ、過労死・自殺も増えてきています。これに対して働くものの権利と人間の尊厳を求めてたたかう人たちを、国民救援会は支援しています。

また、国や警察による人権侵害とたたかう市民事件も支援しています。

憲法改悪、悪法阻止のとりくみ  

自民・公明政権は、憲法を改悪して、アメリカが世界中で起こす戦争に自衛隊を参加させようとしています。そのために、教育基本法改悪案や改憲手続き法案(国民投票法案)などを国会で強行採決しました。自民党は、9条をはじめ憲法改悪案の国会発議をめざしています。

戦争こそ最大の人権侵害です。この立場から国民救援会は、憲法改悪に反対します。また、共謀罪新設法案など国民の人権を抑圧する悪法の反対運動をすすめています。

遺志を継ぐ合葬追悼運動  

社会の進歩と革新、平和と民主主義をもとめる今日の運動は、多くの先人たちの努力によって築かれてきました。そうした先人たちのたたかいを顕彰し、遺族のみなさんを励ますことを目的に開催しているのが解放運動無名戦士合葬追悼会です。

合葬追悼会は、敗戦直後の1948年3月18日に第1回が行われて以後、毎年3月18日に東京で式典が行われています。東京・青山霊園にある「解放運動無名戦士墓」に故人の名前と主な活動経歴が刻まれた銅板を納めています。

国民救援会の組織の概要  

国民救援会は、人権団体としては、国内ではもっとも長い歴史(1928年創立)をもち、多くの会員(約43300会員)を擁する組織です。中央本部が東京に置かれ、47都道府県に各地方本部が組織されています。そのもとに、約440の市区町村・郡を単位とした支部が、また地域・職場・学校などに1200の班がそれぞれ組織されています。(⇒もっとくわしく
名 称日本国民救援会(略称:国民救援会)
〒113-8463 東京都文京区湯島2-4-4 平和と労働センター5階
TEL 03(5842)5842/FAX 03(5842)5840
組織構成約42000名の個人会員(2020年6月現在)と、団体会員1311団体
個人会員会費・月600円(救援新聞代金を含む、なお団体会費も同じく新聞代を含みます)
中央本部-47の都道府県本部-約440の支部-約1200の班
機関紙誌「救援新聞」毎月3回発行(購読は会員のみ)
「救援情報」年4回発行(頒価400円+郵送料71円、年間購読1500円+郵送料284円)
国民救援会の運動の目的を規定した「国民救援会のすすむ道(綱領)」(2006年採択)と、組織の運営などを規定する「日本国民救援会規約」(2006年採択)にもとづいて運動をすすめています。

国民救援会の歴史  

戦前、千葉・野田醤油争議の弾圧犠牲者の救援活動をきっかけに設立。その後、治安維持法によって弾圧された人々の救援活動に奔走しました。
戦後は、日本国憲法と世界人権宣言を新たな指針に、大衆的裁判闘争によって松川事件などに勝利し、権力の謀略を暴き、責任を断罪する成果を勝ち取りました。この経験を活かして、国公法弾圧事件や公選法弾圧事件などの裁判闘争と、弾圧を許さないための活動にとりくみ、人権と民主主義のセンターとしての役割を果たしています。(⇒もっと詳しく